近年、日本でもじわじわと流行の兆しを見せているGIFアニメ、まさに上記のようなパラパラマンガのような画像のことを指しますがご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?
このGIF(ジフ)、一見動画のように見えますが、実は複数枚の画像を組み合わしている画像ファイル形式でありまさにパラパラマンガの要領でループ再生されるのが特徴です。
他にも、音声ナシ、動画よりもファイルサイズが小さい、自動再生されるなどの特徴があるGIFの歴史は古く、なんとその誕生は1987年。90年代には数多くのGIFがインターネット上に作られてきましたが、2000年代にはFlashというよりリッチな表現が可能なアニメフォーマットにとって代わられてしまいます。
しかし、スマホが普及しモバイルでのインターネット利用が当たり前となってきた2010年代からGIFが劇的な逆転を果たし、今ではオンラインにおけるコミュニケーションにおいてなくてはならない存在となっています。以下「GIF」というキーワードの検索推移を表示するGoogleトレンドのグラフですが、綺麗なV字逆転をみせています。
その逆転の理由はやはりiPhoneによるFlash排除、スマホやSNSにおけるコンテンツ消費の短時間化、そしてTumblrをはじめとしたコンテンツの発信場所の確立などがあげられるでしょう。モバイルユーザー、そして誰でもクリエイターになれる今の時代に「音が出ない、ファイルサイズが小さい、自動再生、ループ」などの特徴がフィットし、画像よりもシンプルでユニークなGIFアニメが世の中に溢れることとなりました。※アメリカの2012年流行語大賞でもGIFが選ばれています。ちなみに2013年はセルフィー。
こちらの記事でも紹介しているバイラルメディアの代表格、「BuzzFeed」も、GIFアニメをまとめた記事をとても多くだしており、GIFアニメ作成のスタートアップを買収するなどその愛好ぶりは目をみはるものがあります。BuzzFeedはデータに基づき拡散される記事を制作しているので、これはGIFアニメがネットユーザーにウケるという事実を表しています。(一時GIFアニメだけをまとめたカテゴリもあったほどです。)
GIFアニメが使えないLINEがモバイルコミュニケーションの中心にある日本ではまだそのインパクトは感じられないかもしれませんが、海外ではコミュニケーションの中でGIFは当たり前のように活用されているといいます。
SMSではGIFアニメの投稿が可能なのはもちろん、外部アプリにもその門戸を広げたFacebookメッセージのアプリケーションはそのほとんどがGIFアニメ関連のアプリですし、Twitterもちょうどこの記事を書いている最中、ツイート画面からGIFを検索できるようになりました!

テキストを使わずともユニークなメッセージが伝えられるGIFアニメ、今ではメインストリームとなり、新たな自己表現手段として注目を浴びています。そこで今回は以下にこれからのGIFコミュニケーション市場を牽引していくであろう6サービスをご紹介したいと思います。
Giphy(ジフィ)
GIFアニメ界のGoogleとも言われ、今のGIFブームを率いる存在がこのGiphyです。まさにGoogleのように「世界中のすべてのGIFファイルを検索し、発見し、共有する」ことを目標として2013年にスタートしたGiphyはそのGIFコンテンツの豊富さだけならず、Facebookをはじめとした各種プラットフォームとの連携によって大きな存在感を発揮しています。
今では当たり前ですが、これまで面白いGIFアニメを見つけても、FacebookやTwitterにその投稿を行なうことはできませんでした。しかしこのGiphyがその課題を解決し、今ではFacebookメッセンジャーで最も使われるサードパーティアプリの一つとなっています。他にもチャットサービスのSlackでは「/giphy+キーワード」のコマンドでそのキーワードにあったGIFをいくらでも投稿することができます。(これがまた面白いのなんの!笑)
ありとあらゆるGIFを探して友人に共有することができるGiphy、最近ではさらに一歩進み制作まで簡単に行えるGIF Makerを提供しています。
”私たちはGIFの発見、共有、保管、製作まですべてを提供するワンストップサービスでありたいと思っているのです”
2016年2月には資金調達を行い350億円の企業価値を持つ同社、面白いGIFアニメを見つけたい時はぜひ覗いてみてはいかがでしょうか?
GIFMAGAZINE(ジフマガジン)
GiphyがGooogleだとしたら、GIFMAGAZINEはGIF界のInstagramとも言えるでしょうか。こちらはGIFアニメの作品投稿・共有サービスとなっており、制作したGIFアニメを簡単に共有し、評価してもらうことができます。
なんとこちらは日本発のサービスで、”クリエイターの活躍の場が創りたい”という想いの元、20代を中心とした若いメンバーによって運営されています。2014年にスタートし今では毎月5万作品が投稿される日本最大級のGIFアニメ共有コミュニティです。
映像作家やアニメーター、イラストレーター、漫画家など様々なクリエイターがGIFアニメ投稿している場となっているそうで、こちらもFacebookメッセンジャーと連携しており、各種SNSにもGIFアニメを投稿することが可能です。
スマホのカメラで簡単にGIFアニメを作れるGIFカメラアプリも提供しており、GIFアニメや話題のシネマグラフの動画制作・配信プロダクションとして国内外で存在感を高めている存在と言えるでしょう。
またloloという誰でも簡単にGIFアニメ風のコマ撮り写真がとれるアプリも提供しており、GIFクリエイターを増やしていくための対応にも注目です。
GIF keybord(ジフキーボード)
GiphyやGIFMAGAZINEを使えばGIFアニメを簡単に見つけることができますが、もっと簡単にGIFアニメを日常のコミュニケーションに取り入れる方法がこのGIF Keyboardです。なんとこのアプリをインストールすればスマホのキーボードからGIF画像が呼び出せるようになります。
わざわざGiphyなどのアプリを起ち上げずとも、デフォルトのキーボードを拡張する形でGIFアニメが各種メッセージや投稿に使うことができるのです。日本語→英字→GIFみたいな流れでキーボードの種類を増やすことができます。詳しくはこちら
類似のPopKey Animated GIF Keyboardというアプリもありますが、LINEがどちらのGIFアニメにも対応していないのがちょっと難点.. SMS、Facebook、Twitterなどには対応しているのでぜひ試してみるのはいかがでしょうか。GIFアニメがグッと身近なものになるでしょう。
ImgPlay(アイエムジープレイ)
GIFアニメを検索、共有するサービスをご紹介しましたが、こちらはスマホで撮影した写真や動画から簡単にGIFアニメが作れるアプリです。もともとあるGIFアニメを使うのも面白いですが、身近な日常や友人の素材を使ってGIFを作ればより特別なコンテンツとなるでしょう。
このアプリでは撮影したムービーの一部分を変換するのはもちろん、バースト(連射)写真を動画化することも可能です。これまではPC上のアプリケーションでGIFアニメを生成する方法が主でしたが、これにより誰でもGIFクリエイターとなります。バースト(連射)写真を使える点、4段階の画質を選んで出力できそのままSNSに載せたりメールに添付したりできる点など、数あるGIFアニメ作成アプリの中でも最もオススメです。
海外のWEBジャーナリストはイベントのリアルタイム中継等で、GIFアニメを生成することが多いようですが、これを使えば現場の雰囲気を動画よりもユニークな方法で伝えることができます。ぜひ自分だけのGIFアニメを作ってみましょう。
似たサービスだと、InstagramがリリースしているブーメランというアプリもGIFライクな動画を簡単すぎるほど簡単に!作ることができます。
gifs(ジフス)
こちらはお気に入りのYouTube動画を簡単にGIFアニメに変換することができるサービスです。同様の機能はGiphyやGIFMAGAZINEでも提供されていますが、最もシンプルで簡単な方法はこのサービスでしょう。GIF動画でシェアしたいYouTube動画を見つけたらそのURLの冒頭に”gif”と追加しましょう。
URLの「https://www.youtube.com」の部分を「https://www.gifyoutube.com」に変えるだけ。「youtube」の部分に3文字足して「gifyoutube」にしてみましょう。
そうすればあっと驚き、GIFアニメの生成画面に代わりあとはGIFアニメの始めと終わりを選択するだけでお気に入りの動画をGIF化することができます。このgifsも世界中の人がGIFアニメを共有するサービスとなっており、様々なGIFアニメに出会える場となっています。
GoogleGIFs
画像を探す際に最も使われているであろうGoogle画像検索、GIFアニメももちろん探すことはできますが、検索結果の画像がGIFかどうかは結果の画像をクリックしてみないとわかりません。(贅沢な悩みかもしれませんが..)
あなたがGoogleChromeブラウザをお使いであれば、このエクステンション機能をインストールすれば画像をクリックせずともGIFアニメであればその画像が動き気持よくGIFアニメを探すことができます。日常のブラウジングから面白いGIFアニメを見つけることができるかもしれないこの拡張機能、GIFコレクターを目指す方であれば必須でしょう。
また別の拡張機能ですが、Giphyが提供するGiphy for GmailというエクステンションはGmail作成時にGiphyの動画を簡単に呼び出し送信することができます。メールに彩りを加えたいと考えている方はいかがでしょうか?
日本にも来るであろうGIFアニメによるコミュニケーション
以上、GIFアニメの検索や共有、作成ができる5つのサービスやアプリをご紹介しました。「短編」「無音声」「ループ」「自動再生」という動画に比べ一見デメリットにみえるこれらの性質が、スマホでのコンテンツ消費に最適化しもはや海外では当たり前のコミュニケーション手段となっているのがGIFアニメです。(LINEがコミュニケーションの中心の日本でいうスタンプのような位置づけです。)
”レストランのレッドロブスター、ビヨンセ新曲に登場も「亀レス」でTwitterが炎上”というこちらの記事をみてもTwitterによる表現手段としてGIFアニメが多様されている様がおわかり頂けるかと思います。
ソーシャルメディアで世界中の人々が繋がったことで、グローバルな戦略が求められる今、テキストに頼らない非言語コミュニケーションの重要性が日毎に増している状況です。そんな中、無視できない手段としてGIFアニメをその選択肢にいれておくべきでしょう。ソーシャルメディアと相性がいいため、拡散を狙うコンテンツにも相性がよく、若者の好感を誘うことができるGIFアニメ、まずは手始めにGiphyあたりからGIFの可能性を探してみませんか?
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