2015年11月の段階でFacebookでは1日80億回もの動画が再生されているといいますが、それから半年以上経つ今、その数は200億回はゆうに超えているのではいでしょうか?(2015年4月の段階で40億回)
以前、こちらの記事で料理レシピやヘアアレンジの動画コンテンツを配信するFacebookページをいくつかご紹介しましたが、それから数ヶ月経ち、筆者のニュースフィード上ではさらに多くの動画コンテンツが溢れかえっています。料理動画に続いて多いのがニュース系を動画コンテンツですが、面白いことにそれはどれも思わず見入ってしまうものであり、文章で記事を読むよりも圧倒的にわかりやすく内容を理解することができます。
インスタグラムで巨額を稼ぐ人々
上記、1例ですが、どれも思わず見てしまう秀逸な切り口です。動画もキャプション(字幕)付きなので音声なしでも内容がわかり、ついつい全部見てしまい、友人に教えたくなるコンテンツばかり。世界中の人(16億人)が使い、もともとバイラルの要素があるFacebookですが、ここまで動画に特化したページが急増したのは「自動再生」されるようになった要因が大きいでしょう。ソーシャルメディアはもともと受動的に情報を得ることができるメディアですが、キャプション付きの自動再生動画はさらにテレビと近しいものになりユーザーに時間を費やしてもらうことができます。
こちらの記事では“今、インターネットのトラフィックの6割ぐらいが動画らしいんですけど、これが今後2018年か19年には、8割に達する”とありますが、それを牽引するのは数字の伸び率など見てもFacebook、またはスナップチャットといえるのではないでしょうか。
スナップチャットの縦型動画も視聴回数が80億回に達していますが、今後Facebookのようにパブリッシャーの参入が増えることで爆増する可能性が大いにありえます(ディスカバリー機能のOPEN化など)。それで今回は以下に、料理やヘアアレンジのページと並んで動画の視聴数増加に起因しているであろうFacebookを活用した10の動画コンテンツパブリッシャーをご紹介します。
レシピに続く盛り上がりをみせる、ニュース、面白ネタ、暮らしに役立つコンテンツ
Timeline – タイムライン
こちらあのデリッシュキッチンやKALOSなどの分散型メディアを運営するエブリーによるニュース動画のFacebookページです。他のブランドと同じくYouTube、インスタグラム、Twitterでも情報を配信していますがほぼFacebookに注力していることが伺えます。
上記のように「1分でわかる今日のニュースBEST4」という、即時性ある動画が特徴でお手軽に最新のニュースをキャッチアップすることができます。これから紹介していくFacebookページよりも最新のニュースに特化しており、リピーターも多く生まれてきそうな気がします。いいね!数は4,000人ほどとデリッシュキッチンの約70万人は及びませんが、これからの展開が楽しみです。
Spotwright / スポットライト
個人的に最も好きな動画メディアがこちらです。Timelineのように最新のニュースというわけではありませんが、「デジタル世代の最前線」をテーマに繰り広げられる動画コンテンツはどれも一見の価値ありです。
スポットライト株式会社が運営しており、バイラルメディア形式の自社サイトも存在します。とても手の込んだコンテンツとなっており、あのNewsPicksともコラボするなど他メディアへのコンテンツ供給の流れが見受けられます。動画のOEM制作やブランド同士のコラボレーションなど、エブリー含めこのような分散型動画メディアのビジネスモデルの可能性を感じられる事例だといえます。
bouncy / バウンシー
運営会社は不明ですが、海外で話題になっている動画に日本語のキャプションを載せて紹介しているFacebookページです。
JUKIN MEDIAやrumbleなどの動画配信プラットフォームを活用しているようです。数年前のバイラルメディアといえば、YouTubeの動画をサイトに埋め込む形式が主流でしたが、これからは海外のサービスから動画をダウンロード(購入?)し、Facebookページにアップするのが主流になるのでしょうか?(YouTubeやVimeoは自動再生となりませんので)出典は記載されていますが、若干グレーな気もします..Facebookの動画はYouTubeから盗まれたものも多いとの指摘もあるので今後のFacebook側の改善にも注目が必要でしょう。この問題に関して、こちらの記事も必見です。
Spectee リアルタイム・ニュース
こちらは世界中のスマホユーザーから集めた動画を、わかりやすく編集して配信をおこなっているFacebookページです。ニュースの映像より臨場感溢れるリアルな映像となっており、こちらも5,000人ほどと多くの読者を集めています。
OpenNetworkLabというシードアクセラレーターの支援も受けているspecteeというスタートアップによる動画メディアであり、スマホによる市民ジャーナリズムを作り上げるミッションの元運用されているようです。国内最速での配信となるニュース映像もあるなど、名前のとおりそのリアルタイム性にこだわっています。
HASH LYVE
こちらは未来を感じさせる最先端のガジェット情報を配信する、シリコンバレーを拠点とする動画メディアです。
海外で話題のテクノロジー情報をいち早く動画と日本語のキャプションで紹介しており、5万近いいいね!を集めている人気メディアといえるでしょう。
NowThisNews
こちらから海外のfacebookページをご紹介。これまで紹介したようなニュース動画の分散型メディアの元祖ともいえるのがこのNowThisNewsです。
もともと自社サイト内で動画コンテンツを配信していたメディアですが、分散型メディアに舵を切り大きく成長しているブランドです。こちらの記事でもご紹介しておりますので、よろしければご確認ください。
AJ+
こちらカタール・ドーハを拠点にする衛星テレビ局「アルジャジーラ」が運営する分散型メディアです。NowThisNews同様、様々なメディアに配信しているだけでなくアプリでも展開しています。アラブ社会に多大な影響力を持つ映像ニュースメディアとしての強みを活かし動画に対しても非常に力を入れていることを伺えます。
アラビア語と英語でニュースを配信しており、こちらのFacebookページでは英語圏内に向けたコンテンツとなっております。アラビア語はこちら
Spotlight TV – ハマる動画バラエティ / スポットライト
先に紹介した「Spotwright」と発音が同じで紛らわしいですがこちらサイバーエージェントが運営するWEBメディア「Spotlight」の動画専門ページです。ニュースというよりエンタメ系やDIY、料理、動物系など幅ひろい面白動画コンテンツを扱っています。
いいね!数は6,000程度と突出して多いわけではありませんが、中には50万回再生されている動画もあるなど、今回ご紹介したFacebookページの中では最も多くのエンゲージメントを叩き出しているページです。本体となるSpotlightがメディアとして成功しているようなのでそこからの流入もあるでしょう。このSpotlight、他にもお役立ち情報のSpotlight Useや女性向けのmiss.Spotlightなどターゲットごとに横展開させたFacebookページもあります。
こちらにご紹介した「Spotlight Use」のように主に「ママ」に向けた暮らしに役立つ動画を紹介しているFacebookページも注目を集めているようです。以下に代表的のページを2つご紹介。
Kurashiru(クラシル)
「生活に彩りを添えるような情報を発信」というコンセプトに沿って、このFacebookページもほっこりする、そして役に立つ動画を紹介しています。
動物、料理、ライフスタイルと3つの分野に特化したFacebookページをもっており、大人の女性をターゲットとしたたくさんのコンテンツを楽しむことができます。
Scramble – スクランブル
「心ゆさぶる動画メディア」というキャッチフレーズのScramble、生活に役立つライフハックからちょい足しレシピ、そして可愛いネコの動画などお役立と系動画を中心にバラエティに飛んだ動画を紹介しています。(最後の投稿が2015年11月となっており、今は運用されていなさそうですね、、)
おまけ:たくさんの360度動画を楽しめるFacebookページ
今年から各プラットフォームがVRの販売をスタートするなど、VR関連の盛り上がりをうけ360度動画コンテンツも話題を集めています。FacebookがサムスンのスマホGalaxyをつかってVR体験ができるGearVRを公式にサポートしているということもあり、ここ最近から動画を360度で楽しめるコンテンツが頻繁に見られるようになってきます。例えばFacebookJapanはそのページで横浜DeNAベイスターズのキャンプ時に撮影された、監督からのメッセージ付きの360度動画を紹介していました。
VRが世の中に浸透していくにつれ、このような動画もどんどん増えていくことでしょう。以下このような360度動画を集めている2つのページをご紹介。
Facebook 360
Facebook社が公式で運用しているFacebookページです。2015年、映画スターウォーズの公開プロモーションに先駆けて公開されたこちらの360度動画を覚えている方も多いでしょう。
多くの反響を集めたこの動画を皮切りに、あれからたくさんの360度動画が投稿されています。世界中で制作&シェアされている動画を集めているのがこのFacebookページ、息を飲むような映像を楽しむ事ができます。GearVRを使って見たらもっとすごいんでしょうね〜。
360 Videos
こちらも上記ページとほぼコンセプトは同じで世界中でシェアされている360度動画の投稿をシェアするなどしてキュレーションをしているFacebookページです。
こちらのページで日本のバンダイナムコのVR体験イベントPR動画も紹介されていました。これすごい怖そうですけど面白そうですね.!!世界中のイベントが360度動画で紹介されており、現場の雰囲気を動画よりもよりリッチに楽しむことができます。繰り返すようですがVRで見た時の没入感はすごそうです…!!
バイラルメディアの流行を彷彿とさせる盛り上がり
2013年から2014年にかけてYouTubeの動画をひたすらキュレーションしていく動画サイトが多く登場しましたが、今、その場所がFacebook上に変わり再燃焼しているように見受けられます。
WEBサイトを制作する必要がないため参入障壁が低く、さらにFacebookも以前よりモバイルに最適化され動画も自動再生されるのでPVが伸びやすいという傾向もあるでしょう。上記のように数多くのページが立ち上がっていますが、その中でもデリッシュキッチンなども運営している株式会社エブリーのTimeline、そしてスポットライト株式会社のSpotwrightなど、クオリティが高い印象です。ユニークなコンテンツを出し続けるNowThisやBuzzFeedをみていても感じる所ですが、自社で良質のコンテンツを大量に生産できる仕組みをもっている会社ではないと、動画が中心となる分散型メディア時代、これから難しい戦いが強いられそうです。
なぜなら文章と写真による記事に比べ、動画は圧倒的に制作コストが高いため外注が難しく、社内でPDCAを回しながら用意する必要があるため組織体制がしっかりと成り立っている一部を除きすぐに淘汰されていくことが予想されます。
プラットフォームの仕様変更などリスクもありますが、もしかするとこれからテレビ編集者などがどんどん上記のような動画メディアに流れ、クオリティが上がり更に動画が主流になってくるかもしれません。(AbemaTVのコンテンツ力などほぼテレビと遜色ないですよね…)
リアルタイム性のあるテレビ(放送)の代替とはなりませんが、同じ受動的な視聴スタイルにおいてコンテンツの相性がいいことは間違いないでしょう。人々の可処分時間を専有し、文章や写真の何倍もの情報を伝えることができる動画というフォーマット、YouTubeだけならずこれからFacebook、そしてスナップチャットなどを中心にその最適な編集力が求められる時代はもうすぐそこまで来ています。
弊社ではスマホとソーシャルメディア時代に最適なコミュニケーション手段構築のサポートを行います。お気軽にお問い合わせください。( haisai@okinawa.io )まで。
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