今や飛ぶ鳥を落とす勢いのインスタグラム(Instagram)、ブランディングや集客のためのビジネス利用として既に1万社、スモールビジネスオーナーなど個人アカウントを含めると国内だけで2万5000アカウントを超える利用がされており、利用企業数は毎年2倍というペースで急増しているといいます。※2016年1月現在
2015年に最も利用者が伸びたSNSでもあり、既にその活用を始めている方も多いでしょう。TwitterやFacebookに比べて高いエンゲージメント率が特徴であり、若い女性を中心として感度の高い人々にブランドの世界観を届けるのに最適なソーシャルメディアとなっています。
今ではFacebookを通じて誰でも簡単にインスタグラム広告を出稿できるようにもなっており、さらなるビジネス活用が今後見込まれることが予想されます。そんなインスタグラム、これまでは「画像」を中心として人々とコミュニケーションをとるツールでしたが、2016年からはその中心は「動画」へと置き換わり始めていくことでしょう。
なぜならインスタグラムはテキストではなく「ビジュアル」で繋がるサービスであり、世界中を繋ぐ非言語コミュニケーションのプラットフォームとしてその存在感を示しています。そんなインスタグラムが画像よりもよりリッチで、ストーリー性を付与できるブランドメッセージをノンバーバルで訴求できる手段として「動画」に力を入れていくことはもはや明白と言えるでしょう。
実際、動画の再生回数を表示させたり、60秒動画広告メニューを提供しはじめたりするなど広告主にとって、活用の幅が広がる機能をどんどん実装し始めています。また、画像よりも動画投稿の反応率のほうが平均して2倍も高くなるなど、その効果も事例からの裏付けが進んでいます。
より直感的でセンスのあるブランドの魅力を伝えることができるインスタグラムですが、”クリエイティビティ溢れる”プラットフォームでもあるため、活用しようにも、どのようなコンテンツを用意すればいいか頭を悩ますご担当の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はFacebook Japanのクリエイティブ責任者冨川氏が言うブランド広告制作の考え方と合わせて、動画コンテンツの制作の際に参考になる効果的な方法をご紹介したいと思います。※念のため記載しますとInstagramは2012年にFacebook社に買収されておりFacebookの傘下となっています。
インスタグラムにおけるコンテンツ制作の考え方

インスタグラムに限らず、企業のブランド広告にはテーマ、メッセージ、アイディアの3つが重要になってきます。もちろんインスタグラムにおいてもこの3つは大切なのですが、押さえておきたいインスタグラムの思想が「コミュニティ」という考え方です。インスタグラムは写真や動画からのインスピレーションを求めて人々が集まるコミュニティという世界観をとっており、そのコミュニティに貢献していく、という運用スタンスが重要だといいます。
一方的に情報を伝えるのではなく、どうすればそのコミュニティに集まる人達のクリエイティビティを刺激することができるのか?その考え方に添ってインスタグラムを活用していくわけですが、そのコンテンツはバナー広告等に比べて比較的雑誌の広告クリエイティブに近いと言えるでしょう。

その思想を踏まえた上でコンテンツを考えていくわけですが、Facebookの冨川氏はブランド広告には3つのルールがあるといいます。
1.ブランドらしさ
あなたの”ブランドらしさ”は何ですか? 成功している企業のインスタグラムには必ずそのブランドらしさの一貫性があるといいます。
例えばスターバックスで言うとコンセプトの一つ“サードプレイス”の演出、土屋鞄で言うと”作り手のこだわり”など、ブランドのロゴを隠してもそのブランドだとわかるような世界観=ブランドらしさをコンテンツの見た目とトーンに反映させましょう。
例えば土屋鞄はその訴求方法に関して相談にこられたので、経年変化していくプロダクトの品質感を大切するといった表現、抱いたシリーズの投稿を提案されたそうです。
2.コンセプトドリブン
伝えるべきメッセージはあなたのブランドの「コンセプト」です。全体的な世界観にブランドらしさを取り入れつつ、それぞれの投稿にはしっかりと伝えるべきコンセプト、メッセージを意識しましょう。従来の広告と考え方を変え、コミュニティ、そしてフォロワーの1人1人にあなたの作品を届けるような感覚でクリエイティブを考えるべきです。上記は「私の部屋が私です。」がコンセプトのSUUMOのアカウントです。
3.作り込み
ファンの期待値を超える丁寧な作りこみを行うことが、他ブランドとの差別化に繋がりエンゲージメントをより強固なものにします。クリエイティブの作りこみに必要な点は以下の3つ、クオリティの高い写真は多くの人の共感を誘います。
焦点を絞る: ごちゃごちゃとした構図、複雑な構図は避けましょう。
フレーミングとバランス: 三分割法、垂直と水平の調整、左右の対称性といったディテールを意識すると、全体の見た目が洗練され、写真のトーンも違って感じられます。
光とディテール: 高解像度の画面上でも見劣りしないように、ピクセルのひとつひとつにまでこだわりましょう。
以上の3点がインスタグラムのクリエイティブを考える上で重要だといいます。もちろん実際にコミュニティからのリアクションを検証しないと、何が価値あるクリエイティブかはわかりません。あなたの企業やブランドに最良の結果をもたらすのはなにか?そして、目的の達成に役立つのはなにか?実際に試して、結果を確認し、そして調整を続けることが大切です。
”メッセージ×アイディア×企画が打ち出せないなら一般投稿と同じです。”
このようにFacebookの冨川氏はいいますが、次にインスタグラムの動画投稿において参考になるアイデアと企画をご紹介いたします。
インスタグラムの動画投稿における5つのアイデア
アイデアのご紹介の前にインスタグラムの動画広告について簡単にご説明をします。インスタグラムでは通常の動画投稿は最大15秒ですが、広告の場合は最大30秒までの動画が配信できます。(今はテスト中とのことですので、もう少ししたら60秒までの動画時間となると思われます。)
画像と同様、横長サイズにも対応しているためブランドの世界観を伝えることに役立ちます。同じ動画広告のプラットフォームとしてYouTubeが挙げられますが、こちらはユーザーが見たい動画の前に強制的に見せる動画広告となるためブランドイメージを損なう可能性もあることを注意すべきでしょう。
また運用型広告として1,000円からの広告出稿が可能で、上手く使えば低コストで高い費用対効果が期待できます。Facebook広告の配信システムを使っているためターゲティングの精度も信頼できるものであると言えるでしょう。こちらの記事でもご紹介しているようにFacebookも動画のプラットフォームとして大きな価値を持ち始めてきています。以下のアイデアはFacebook広告にも活用できるものと言えます。
ちなみに動画では音声が流れますが、音声まで聞いている人はごく一部と言われています。音声なしでも魅力が伝わるクリエイティブを意識しましょう。
1.シネマグラフ
Facebook社も利用を推奨しているイチオシのクリエイティブアイデアがこのシネマグラフです。シネマグラフとはご覧の通り、写真の一部だけが動く動画です。動画よりも簡単に製作することができ、かつ動画にはないエレガンスさを訴求できるメリットがあるこのシネマグラフ。大手ブランドも我先にと取り入れているクリエイティブ手段です。
シネマグラフ専用のアプリもありますので、簡単に制作することも可能です。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?またこの流行に伴いgallereplayやflixelなどシネマグラフ専門のベンチャーも勢いを見せ始めています。
2.タイムラプス
動画の撮影時間を早送りにしたり遅くしたりして、動画の時間間隔を調整し見る人の注意を引くことができるのがこのタイムラプス動画です。インスタグラムもタイムラプス制作用の公式アプリをだすなどその動画のもち価値を認めておりサポートする姿勢が伺えます。(iPhoneカメラの標準機能としても搭載されていますよね)早回しのタイムラプス動画はスピード感があり、フィードで流れていると、つい目を留めてしまう魅力があります。
また、インスタグラムは1秒間に5枚の連続撮影し、その写真が動画のように再生、逆再生をひたすらループするユニークな動画を作れるブーメランというアプリも提供しています。写真よりもちょっと面白くて動画よりも手軽なこちらも試している価値アリです。
3.ストップモーション
ストップモーションとは静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる撮影技法です。インスタグラムの動画では撮影ボタンを押している間だけ撮影が可能ですので、このストップモーションも簡単に製作することができます。
インスタグラムが動画機能をリリースした当初から活用されている定番の手法と言えるでしょう。上記のように手作り感があり、温かみや親近感を感じさせます。
4.スライドムービー
これまで撮りためた写真を組み合わせて、動画を作成できるのがこのスライドムービーです。わざわざ動画を撮影せずともこれまでの素材を使うことでセンス溢れる動画クリエイティブを制作することができます。1シーン1シーンがまるでインスタグラムの写真投稿のようで、コミュニティのクリエイティビティを刺激すること間違いなしです。写真の切り替えや載せる文言など工夫することで魅力を高めましょう。
Flipagram、SlideStoryなどスライドムービー制作用のアプリもありますので、ぜひ試してみてください。
5.ハウツー
クリエイティブでありながら、それが実生活にも役立つ有益なものであればコミュニティとの関係性もより強化なものとなるでしょう。例えば料理レシピ、ヘアアレンジ、ネイルなどの動画投稿は圧倒的なエンゲージメントを叩き出しています。
まだ女性の利用者が多いというのもありハウツー動画の成功事例が偏っていますが、メッセージを届けるべきファンの生活の質を向上させる有益でクリエイティブな動画は検討の価値があります。
様々なアイデアを試して見ながら自分なりの動画クリエイティブを見つけよう

以上、5つの動画クリエイティブの切り口をご紹介しました。動画の制作、静止画に比べるとどうしてもコストがかかってしまうものですが、まずはアプリを活用したり、ストックしてある画像素材を組み合わせるなどして自社なりのベストプラクティスを見つけてみましょう。キーカラーを決めて統一性をもたせたり、毎日同じ時間に投稿するなどして、あなたのブランドのアイディアを紹介し続けることで価値と認知を高めていくことが重要です。※継続的に投稿することは、フォロワー数を増加させるための鍵となります。
慣れてきたら以下のように作りこんだ動画にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
スマホのスペックや回線速度の向上でこれからどんどん動画が当たり前のものになってきます。そういった中、一足はやく動画を活用したコミュニケーションを試していく上で、効果的なプラットフォームこそクリエイティブな空間であるインスタグラムです。
上記にご紹介したように、そのサービス特性とクリエイティブアイデアを踏まえた上であなたのブランドの価値をコミュニティに提供していきましょう。
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